今回は、白内障なみだ目と並んで高齢者に多い「眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)」について「かめざわ眼科」院長の亀澤比呂志先生に聞いてみました。
Q 眼瞼下垂症とは?
A まぶたが垂れ下がり目が開きづらくなる病気です。上方や外側の視界が狭くなり、見えづらくなります。無理に目をこじ開けようとするために交感神経の緊張が続き、目の疲れ・首や肩のこり・頭痛・不眠自律神経失調症を引き起こすこともあります。
高齢者に多い病気ですが、治療できる病気だと認識していなかったり美容手術と勘違いしている人も多く、患者数は高齢化に伴い急増している割に、手術を受ける人はまだまだ少ないようです。
Q 治療は?
A 特殊な場合を除き手術が一般的です。美容目的ではないため、基本的に手術は健康保険適用です。上まぶたの皮膚を切除したり、まぶたを上げる筋肉を縫い縮めたりします。手術時間は片眼で約30分。日帰り手術も可能で、費用は3割負担の人でも片眼2万円程度です。術後、多少目元の印象は変わりますが、別人のようになってしまうわけではなく、まぶたが垂れ下がっていない若かった頃の目元に近づくとイメージすると良いでしょう。
Q 簡単なチェック法は?
A 指やテープを使い上まぶたを開けて、見えやすくなれば眼瞼下垂症の可能性があります。心配な人は眼科専門医に相談しましょう。治療して目がしっかり開けば、快適に見えるようになります。視界が広がり事故や転倒のリスクが減るため、周りの人も安心です。年のせいとあきらめず、生活の質を保つためにも前向きに治療を考えましょう。家族や周囲の理解や協力も大切です。親身になって一緒に考えてあげてください。
かめざわ眼科 院長
亀澤 比呂志
・日本眼科学会認定眼科専門医
・日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
・日本レーザー医学会認定 レーザー専門医