「眼瞼けいれん」とは?
自分の意志に関係なく、両目のまわりの筋肉が勝手に痙攣(けいれん)し、目が開けにくくなる病気です。
眼瞼けいれんの症状は目に現れますが、原因は目やまぶたにあるのではなく、脳内から正しい指令が伝わらず、目の開閉がうまく機能しなくなるものです。
特に中高年の女性に多くみられます
50~70歳代の、特に女性に多くみられる病気です。
まれに、20歳代でも起こることがあります。
また、女性のかかる割合は、男性の約2倍といわれています。
過剰なストレスや一部の睡眠導入薬が誘因になることもありますが、普通に生活している方にも多い病気です。
初期にはドライアイと似通った症状がみられます
初期には
まぶしい、目をつぶっていた方が楽、目が乾く、目がショボショボするなど多様で、ドライアイと似通った症状がみられます。
進行すると
自分の意志で目を開けようとしても、目を開けられなくなり、手を使って開けなければならない場合もあります。
ドライアイだと思っていませんか?
これらの症状は眼瞼けいれんが関係しているかもしれません。
あなたの状態をチェックしてみましょう。
- 眼瞼けいれんチェック項目
- 光がまぶしい
- まばたきの回数が多くなった
- 片目をつぶる
- 口元がピクピクする
- まぶたがピクピクする
- 目が乾き、ショボショボする
- 目を開けているのがつらい
- 目や目の周囲に違和感や異物感がある
- 以前のように自然なまばたきができない
- 意志とは関係なく目をつぶる
該当する項目はいくつありましたか?
チェックが2個以上あれば「眼瞼けいれん」の可能性があります。
そのまま放っておいても自然に治る病気ではなく、日常生活に大きな影響があります。 ご心配な方は、まずはご相談ください。
治療について
お薬による治療
ボツリヌス療法(保険適応)
眼瞼けいれん、片側顔面けいれんの治療にはボツリヌス療法があります。
この治療法は、緊張している筋肉に緊張をやわらげるお薬(ボツリヌストキシン)を注射することで痙攣(けいれん)や収縮の原因になっている神経の働きを抑え、緊張しすぎている筋肉を緩めるものです。
この治療法は世界80カ国以上(2012年10月現在)で許可され、広く用いられています。
日本では現在、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸などの5つの病気の治療法として許可され、保険適用されています。お薬の効果はおよそ2~4カ月です。
効果の期間には個人差がありますので、きちんと医師と症状を相談しながら治療を行います。
お薬の効きすぎで”目が閉じにくくなる”、”まぶたが下がる”などの副作用が起こることがありますが、いずれも一時的なものです。このような症状が現れた時には、医師にご相談ください。
ボツリヌス療法は保険適応です。
内服薬による治療
眼瞼けいれん、片側顔面けいれんのいずれにも、筋弛緩薬、抗てんかん薬、抗不安薬などの内服薬を使うことがあります。